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【漁業】IIoT事例

更新日:2022/01/26
漁業イメージ

養殖業におけるICTの活用

養殖業には、ノリ養殖やカキ養殖など無給養殖と、ブリ養殖やマグロ養殖など給養殖があります。

無給養殖では、水温や塩分などにより、育成がとまったり、逆に育成スピードが速まったりすることがあります。このことから、計画的に育成をさせるには、水温などのデータの把握は欠かせません。

従来は、自ら海上に船で出向き水温などを直接計測したり、漁業協同組合や水産試験場が測定したデータを、FAXや掲示板でみることでしか水温などのデータを知ることができませんでした。これらの手間と時間を削減するためにICT技術を活用して、海上の水温などのデータを測定し、その結果を携帯電話などで「いつでもどこでも」見ることができるシステムの開発が各地で進められています。

このことで、必要な情報を必要な時のリアルタイムで把握できることで、時期を逸せずに的確な養殖作業が行えることが期待されます。

一方、餌代が支出の6~7割を占めている給養殖では、水温や溶存酸素などのデータに加え、給餌量や成長速度などのデータを蓄積していくことで、最適な給餌方法を見つけ出し、出荷計画に合わせて給餌量の調整や効率的な給餌による餌代の消滅など生産管理が可能になると期待されています。

そのほか、生簀のなかの養殖魚の数は通常は経験的な推測でしたが、推測量の正確さによって、生産金額の予想と実績に大きなずれが生じることがあります。そこで、生簀の中の魚の数を自動カウントし、魚の数を正確に把握できるシステムの開発も進められています。

沿岸漁業におけるICTの活用

沿岸漁業においても、ICTは、養殖業と同じように、水温などのデータを食手し、海の状況を把握することに加え、過去の漁獲量データを基に漁場予測や漁獲予測、さらに資源管理などのためにICT技術の活用が期待されています。

養殖業に比べると、ICTの活用は、事例は少ないですが、タブレット端末の導入や、近年、急速に進んでいる関連機器の小型化などに伴い、漁獲量や水揚金額などに関連する情報の収集や分析が行われています。

これにより、流通業者や消費者との情報共有が行われることで、適切な資源管理や効率的な操業ができ、流通の合理化につながると期待されています。

沖合域におけるICTの活用

沖合域において、1980年代から衛星情報の活用がはじまっています。近年は、漁場予測のシステムに加え、漁労環境へのICTの活用も進められています。

沖合量の漁場で操業する比較的大きな漁船では、国際競争の確保が問題になっています。そこで、ICT技術を活用して、漁場予測の精度向上により燃料代の節約や生産性の高い漁具の導入により、漁業経営の安定化が図れると期待されています。

多様な漁業分野におけるICTの活用

生産に関する現場のICTの活用以外にも、漁業分野では、ICT技術の導入が進められています。密漁防止や内水面におけるカワウ被害対策や、漁業協同組合の遊漁券オンラインシステム「フィッシュパス」など、さまざまな分野でICT技術の導入は進められています。

今後、漁業分野では、これまで以上にICT技術の活用によって、省力化などにつながることが期待されています。

ICTを活用した流通・加工

技術の活用は、漁業分野だけでなく、関連する流通や加工分野においても、ICT技術の活用がはじまっています。今後は、生産者と消費者の双方にメリットがあるような形で、水産物の電子商取引の拡大が期待できます。

さらに、高齢化や人手不足など問題を抱えている加工現場では、作業の効率化や省力化に加え、精度の高い品質管理や熟練作業員の技術をロボット化するなどのICT技術の活用に期待されています。

参照元:水産庁(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h29_h/trend/1/t1_1_3.html
IoT NEWS(https://iotnews.jp/archives/140867
KDDIが取組むスマート漁業(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/nourin/dai13/siryou3.pdf

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