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IIoTとIoTの違い

更新日:2022/09/30

こちらのページでは、「IIoT」と「IoT」の違いについて解説しています。さらにIIoTを導入するメリットや導入によってどのようなことが期待できるのか、という点についてもまとめていますので、IIoTの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

IIOTとは

IIoTは「Industrial Internet of Things」の略であり、産業分野向けのIoTを意味する言葉です。IIoTは、産業用の機械や設備、装置、システムなどをネットワークで相互に接続を行うことによって、作業の「見える化」を行ったり、業務効率化・生産性の向上を実現するもの。物流や製造業、石油、ガス、輸送などさまざまな分野で活用されています。

例えば製造現場の機械や設備にセンサーやカメラなどを設置し、さまざまなデータを取得。このデータを共有・活用することで作業効率化や自動化を目指します。

IIoTとIoTの違い

IoTは「Internet of Things」の略であり、インターネットを通じてさまざまなモノをサーバーやクラウドサービスに接続することによって、相互に情報をやりとりします。このIoTは主にスマートデバイスを用いており、日常生活・バックオフィスで利用されています。

また、IIoTの場合は前述の通り産業分野で利用されています。24時間稼働している工場の生産ラインなどで活用されることもあり、「常時稼働が可能」「安定した通信品質が保てる」といった特性が求められる点もIIoTの特徴といえるでしょう。さらに、扱うデータの中には機密情報を含むものもあり、アクセスレベルの制御が可能、高いセキュリティ対策が必要、といった条件も求められます。

IIoTに求められる機能

機密性

IIoTに求められる機能として、まず「機密性」が挙げられます。IIoTでは、生産に関連する重要なIoTデバイスをインターネットに接続することになります。この時に大切なのが、外部からの攻撃や不正アクセスの対策が行えるという点。例えば、セキュリティの脆弱性が見られる場合には、個人情報や機密情報が流出する可能性もゼロではありません。

このことから、高いアクセルレベルの制御、データの暗号化などをはじめとするセキュリティ対策が求められます。

安定性

IIoTは、生産などの過程に利用されることから、高い「安定性」も求められます。常に稼働している現場でも通信が途切れることなく、常時稼働できる性能が必要です。

また、障害やアクセスの急激が増大などによって、万が一IIoTが停止してしまうと生産工程が全てストップしてしまう可能性もあります。このことから、アクセス負荷の増大に備えられるように対策を行ったり、障害が発生した際の保守対応、またネットワークの冗長化などの対策を行っておきましょう。

通信サービスの品質

IIoTを活用する際には、多彩なIoTデバイスをネットワークに接続します。このことから、従来のネットワーク帯域を圧迫しないように対策を行い、「通信サービスの品質」を確保しておきましょう。

加えて、リアルタイムの情報処理が求められる場合などは、高速・大容量・低遅延のネットワーク構築を行うことが必要となります。もし通信の遅延が発生すると業務に支障が出てしまう可能性もあるためです。

IIoT化がもたらすメリット

サプライチェーンの最適化

サプライチェーンとは、製品・サービスにおける原料の製造から消費者に提供されるまでの一連の流れを指します。IIoT化を行い、それぞれの工程を管理することによって、サプライチェーンの最適化が期待できます。

業務の効率化

IIoTの導入により、作業状況などをリアルタイムで把握できるようになり、稼働率や生産数といったデータと組み合わせることで業務の効率化につなげられます。効率的な動きができるような作業員の配置を行うこともできるでしょう。

品質向上

IIoTで取得したさまざまなデータを組み合わせ、今ある製品の改善を行ったり、新しい製品の設計に活かすこともできるでしょう。さらに、工場を可視化して人的なミスを減らすことで、品質の安定化に繋げられる可能性もあります。

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