IIoTがもたらすメリットを3つ紹介します。
IIoTを導入するメリットとして、製造工程管理、工場設備の安全管理、製品の品質管理、生産管理、在庫管理、流通管理などの管理業務の効率化が挙げられます。
管理業務には膨大なデータ収集が必要です。IIoTを導入すれば、データの収集だけでなく、活用まで自動化でき、その結果、製造コストの削減、製品の価値・品質の向上が期待できるのです。
また、管理工程以外にも生産設備の保守点検やメンテナンスといった工程の負担の軽減も行えます。手作業で行うと、時間と人的リソースの両方を取られてしまうこの工程ですが、IIoTを導入することにより、このボトルネックを解消でき、生産性の向上が目指せます。
産業分野の中でも、特に製造業・小売業・食品業などのものづくり企業では、サプライチェーンの最適化が期待できます。サプライチェーンとは、製品やサービスの原料製造から消費者への提供までの一連の流れのことを言います。
IIoTを活用することで、産業機械やシステムといった産業分野に関わるモノがネットワークにつながり、1つ1つの工程が情報システムで可視化され、サプライチェーン全体の見える化が可能になります。
それにより、各工程の稼働効率を数値化したり、余剰在庫を自動で検出したりすることができるようになります。ボトルネックを探しやすくなり、生産性の向上が目指せるというわけです。
IIoTのメリットとして生産現場の効率化が注目されがちです。しかし、IIoTには、製品に付加価値を加えてイノベーションを促進する力も秘められています。
例えば、多様化する消費者のニーズに応え、パーソナライズされた機能や仕様を製品ごとに付け替えて提供できることなどが考えられるでしょう。
サプライチェーンの最適化と同様に、工程の見える化を実現することにより、製品やサービスに新しい価値を生み出すきっかけが生まれるというわけです。
IIoTのデメリットを2つ紹介します。
IIoTでは、産業機械をネットワークでつなぎます。その際に注意しなければならないのが、不正アクセスなどのサイバー攻撃です。IIoTの脆弱性を攻撃されると、機密情報や個人情報などが不正に利用される危険性があります。また、現場の機械が正常に稼働できなくなる可能性もあるでしょう。
そのため、セキュリティ面の対策はIIoTのデメリットだといえます。
IIoTがもたらすデメリットではありませんが、導入の障壁となるものは、エンジニアの不足が挙げられます。
IIoTを導入するうえで、エンジニアは欠かせません。センサーやデータベースに関する技術、データの取得・処理の技術、ビッグデータやAIの技術などが組み合わされて必要となるため、これらを高度に扱えるエンジニアが不足していることも、IIoTを導入するうえでデメリットになり得るといえます。
しかし、この課題はソリューションの活用でなんとでもなります。人材が…という前に、まず課題を解決できそうな企業に相談をしてみる、というのが一番でしょう。